TOUCH! the future

観光産業は、お客様の心に刻まれる
特別な瞬間を提供する仕事です。
多様な文化と触れ合いながら、
訪れる人々にその土地の魅力を伝える。
グローバルな視点を持って働けるのも
観光産業の魅力です。
人々の心に残る瞬間を、あなたの手で。

観光産業の未来 TOUCH the future

Career Note

観光業界で活躍する方々の
キャリア紹介

2 ホテルコンシェルジュ

住吉さん写真

住吉 真矢子さん

パレスホテル東京/業務歴28年

ホテルを利用する、さまざまなお客様の要望にきめ細かく応えるホテルコンシェルジュ。お客様のニーズに柔軟に対応するスキルが求められるプロフェッショナルな仕事です。ここでは、ホテルコンシェルジュとして長いキャリアを持ち、コンシェルジュの国際的な組織でも活躍する、パレスホテル東京チーフコンシェルジュ、住吉さんのキャリアをご紹介します。

観光業界を目指した理由

子供の頃、ホテル総支配人をしていた親戚がいて、ホテルを見たり親戚からいろいろな話を聞き、ホテルの仕事に興味を持ちました。高校時代にアメリカへ留学したこともあり、この頃から英語を使う仕事を希望していました。

大学で就活していた際、「パレスホテルは東京の中心にあり、海外からのお客様も多くいらしているよ」と当時のリクルーターの先輩からお聞きし、世界のお客様をお迎えできるホテルではないかと当時のパレスホテル(現在はパレスホテル東京)に応募し、採用が決まりました。

仕事内容と魅力

パレスホテルへの入社後は、さまざまな部署を経験した後、コンシェルジュに就任しました。
コンシェルジュは、ホテル館内のご案内から周辺のレストランや観光スポットの情報提供と予約、ビジネス対応、ベビーシッター手配とお買物のサポートなど、お客様の幅広い要望にお応えする魅力あふれる仕事です。

そのため、お客様にご満足いただけるサービスを提供するため、各部署との関係構築や連携が何よりも大切です。チーフコンシェルジュとして勤務する現在も、チームのメンバーには常に情報共有するように心がけています。

普段の仕事の流れとしては、朝、天気や交通機関の運行状況、ニュース、イベントなどを確認しながら出勤し、その日の到着のお客様や一日の流れを確認。宿泊部のミーティングに参加し、カウンターでのゲスト対応やメール対応をこなしながらさまざまなリクエストにお応えしています。仕事後はレストランの試食に行くこともあります。

コンシェルジュの主な仕事内容

  • カウンターでの案内業務
  • レストランや観光スポットの情報提供および予約
  • おみやげ購入代行や名刺作成、翻訳・通訳の手配などお客様の細かなリクエスト対応
  • メールやお電話での問い合わせ対応

仕事のやりがい

写真

実は、パレスホテルは一度退職し、別業界で1年働いていたことがあります。しかし、やはりホテルの仕事は魅力的で、再び戻りたいと考えた末、外資系ホテルに入社しました。その後、いくつかのホテルを経験した後、パレスホテル東京の建て替えに伴い、開業準備とコンシェルジュ部門の立ち上げに向け、パレスホテルに復帰する機会をいただくことができました。

コンシェルジュの一番のやりがいは、常に新たなことを学びつつ、お客様からもいろいろなことを教えていただくことで、この仕事でなければ知り得ない、あるいは、会うことができない方々とのご縁を楽しめること。仕事を通じて自分の人生をより豊かにしていけることが醍醐味です。

これまでのキャリア

現在は、パレスホテルでのチーフコンシェルジュとしての業務とは別に、「レ・クレドール」というフランス発祥の歴史あるホテルコンシェルジュの国際ネットワーク組織の一員として業務を兼務しています。

レ・クレドールに加盟したのは日本法人のレ・クレドール ジャパンの定例会に初めて参加した時、コンシェルジュという仕事を通じ、ホテルの垣根を超えて皆が同じ方向を向いて仕事をしていることに感銘を受けたことがきっかけで、自分自身もネットワークの幅を広げ仕事をしたいと思い、会員となりました。

加盟後は、ホテルの現場での業務に加えて、レ・クレドール ジャパンのプレジデントとしての職務を6年務めました。毎月ホテル業務とレ・クレドール関連の業務を組み込み、プライベートと上手くバランスを取るようにしています。世界中に仲間のメンバーがいて、日々一緒に仕事ができていることに大きな意義を感じています。

※1929年に発足した組織で、さまざまな会合を世界各地で開催し、会員同士のネットワーク構築やコンシェルジュのための勉強プログラムを行っている。

宿泊業務を経験後、
コンシェルジュに!1996年

株式会社パレスホテル入社、
宿泊部などに所属後、
コンシェルジュ就任

フロント業務、宴会サービス、レストラン、客室業務など様々な部署を経験し、ホテリエとしてのキャリアをスタート。フロントやコンシェルジュも経験。

外資系ホテルの開業に携わり
キャリアを積む

複数の外資系ホテルでチームリー
ダーやチーフコンシェルジュを歴任

一時退職するも、2000年に外資系ホテルに再度就職。その後、別の外資系ホテルの開業準備に関わり、管理職に就任。

古巣のチーフコンシェルジュ
として復帰!2011年

株式会社パレスホテルに復帰、
パレスホテル東京の
チーフコンシェルジュに就任

外資系ホテルでの経験を生かし、パレスホテルに復帰。パレスホテル東京の建て替えに伴い、コンシェルジュ部門を立ち上げ!

レ・クレドールの日本代表に就任2017年

レ・クレドールジャパン プレジデントに就任

コンシェルジュの国際ネットワーク組織の会員に加盟後、日本代表に就任!(2023年まで)

レ・クレドールとしての
活動の幅を広げる!

日本人初のレ・クレドール
東南アジア・オセアニア地域の
ディレクターに就任

2023年3月に、日本人として初めてレ・クレドール SEAO(東南アジア・オセアニア地域)Zone Directorに就任。

これからのジブン

写真

これまでのキャリアを振り返って、この仕事が本当に好きでやってきたというのが実感です。この仕事に20年以上関わっていますが、私が勤務するホテルが変わっても長い間ご利用いただけるお客様とのご縁に感謝していて、仕事を継続する上で大きなモチベーションになっています。

大変な時もありますが、家族や会社の仲間、コンシェルジュ仲間の支えがあり、この仕事が継続できたことへの感謝の気持ちが大きいです。

今後は、コンシェルジュを目指す若者が増えるよう取り組み、また、観光業界全体にも、もっと貢献していきたいと思います。

観光業界を目指すみなさんへ

私も何度かキャリアチェンジを経験してきましたが、日系、外資系、ホテルチェーンなど、ホテルの業態によって方針なども大きく異なります。私の場合、エリアやジャンルの異なる様々なホテルで経験を積んだことで、自分自身のキャリアづくりにとても役立ったと感じています。ホテル業界での転職は珍しいことではありませんが、キャリアチェンジでは年齢や立場に応じて慎重に進めることをお勧めします。

宿泊業には、さまざまな職種があり、どのような職種に自分自身が就きたいのか、また、どのような職種が自分に合っているのかを良く見極めて、目標を持ってキャリアを積んでいってください。